それでも人生にイエスと言う

カスパー・ハウザーについてこちらで言及してて懐かしくなった。
カスパー・ハウザーについてはこちらこちらもどうぞ。
要は19世紀ドイツに現れた、16歳まで、地下で監禁されて成長したという謎の人物です。
結局真偽不明のまま彼はこの世を去るんですが、同様の例アメリカで。被害者は確かまだ生きてるはずです。
これらは昔、心理学か社会学をやったときに、人間の社会化モデルや言語習得過程の説明に引き合いに出されてた覚えが。
あと、もういないんですが、ある心理学の先生が毎年講義の内容が決まってて、そのなかで必ず読ませる本のひとつが、ヴィクトール・フランクル「夜と霧」だったので、なんとなく覚えてました。
(アウシュビッツでいつ死ぬかわからない恐怖にさらされながら、人間の尊厳を捨てないためにはどうしたらいいのかという記録。読め!高いけど図書館に必ずある)


数年たって「完璧な犠牲者」を読んで、またその記憶がよみがえる。
(これは、ヒッチハイクで捕まえた女性を7年監禁したという、70年代アメリカで起きた事件の本。さまざまな虐待を受けながらも一度実家に帰ったのち監禁犯の元に帰ったほどの心理的歪曲が圧巻。これを元にしたであろう映画もある。こちら。どっちかって言うと、ケッチャムの「地下室の箱」の方が有名か)
日本でも新潟で似たような事件があったなあ。


ひぐらしの鳴く頃に」(公式サイトはこちら)でもあったように、人一人隠し通すのは簡単じゃない。
けれど世界のどこかできっと今も起きている。
ストックホルム症候群に見られるように、その呪縛は恐ろしいなあと思うわけです。
自分の生活をふと思うとき、いろいろなものに縛られていて、ままならないなあと思うことも多いけど、こういうことを思うと、今日も生きていこうと思える。