今日の日記

木

画像

これは、コンクリートの隙間から伸びてた木。
隙間に埋めるパテのような形で生えていたんだとおもう。
たぶん10年近くあったと思うんだけど、夏の大風ではがれるように折れたみたい。
それでも枯れてないのがすごいなあ。

読書

・切ってはいけません!切ってはいけません! 日本人が知らない包茎の真実
この感想を書くのに、一生分の包茎って単語を使った気がします(笑)。
要するにこの本は、包茎の包皮は切らなくていい、ていうか切らないほうがいいって本です。

包皮は、切らなければいけない(切ったほうがよい)とされてきた理由が、美容上のものを除いても4つあります。
まず、包茎だと陰茎ガンにかかりやすく、パートナーは子宮頸がんになりやすい、ということ。
次に、包皮の切除がSTDの予防に効果があるということ。
3つ目に、包皮の切除が尿路感染症の予防に役立つということ。
最後は性的能力の向上につながるということ。

結局のところ、最初の三つは包茎が不潔である、恥垢が発がん性があるという点に論拠があるわけですが、もし仮にそうだとしても毎日よく洗えばいいんじゃね?ってことなわけですよ*1
その点において、包茎と非包茎*2はイーブンなわけです。
そもそもその出発点における、恥垢に発がん性がある、というデータはどうもおかしい*3
少なくとも直接的な原因ではない、というのが読むとわかります。

最後の性的能力についてなんですが、これは心理的な部分も大きいので、どっちとも言えないってのが正直なところだと思います。
まず包茎/非包茎のプラス面を言うと、
むけたことによって、亀頭が角質化して早漏じゃなくなったり*4、美容上の問題点が改善されたと感じて自信がついたり、ということもあるでしょう。
包皮には感覚器がたくさんある*5ので、いろんな感覚が楽しめて性生活が豊かになるってこともあるでしょう。
マイナス面を言うと、さっきあげた点の裏返しがそうですよね。
あと、手術にはリスクってものがあるということを忘れてはいけないと思う。
例えば、あまり表ざたにならないですけど、皮を切りすぎたりとかで、勃起すると突っ張って痛むから、セックスができなくなるってことがあるそうで。
勃起/非勃起状態の長さの差は、ちょっとデータが見つからないんですけど、数センチってところじゃないでしょうかね。
むけてるペニスは、皮の伸縮でその差を受け止めなければいけないわけです。
手術で包皮を切り取ると、傷口は硬くなるから太さが変わったときにそこが締め付けられるように感じるし、長さが変わったときはそこが引き裂かれるわけですよね。
もちろん、それはさまざまに改善していくわけですが、むけてるほうが普通、という圧力は、そういうリスクを負わせることだと思うわけです。
結局のところ、その圧力は「バストは大きいほうがいい」という女性への圧力にも似てると思うんですよ。

僕は、そういう神話は破壊されるべきだと思う。
だからこんなに必死に包茎について書いちゃうわけですけど。
この本は、包皮切除を敵視するあまり肩に力が入りすぎてる嫌いがありますが、包茎に関する神話を破壊するという意味ではいい本だと思います。
ここから議論が始まって、切らなければならない/切ったほうがいい理由、切ってはいけない/切らないほうがいい理由が整理されてくれるといいですね。
まあ、包皮切除でご飯を食べてる人がいる上に、性的なものが隠蔽されやすい傾向にある現状ではなかなか難しいでしょうが。

*1:本筋から外れた話なんですけど、洗うのを嫌がるような男性は、包茎であるなしにかかわらずパートナーとしてあまり適切でないような。

*2:包茎ではないペニスを表現する言葉がないってのは、改めて気づいたけど、ペニスにおける常識ってものが、むけてる状態にあるってことだと思う。スーザン・ソンタグあたりにその隠喩を解いてもらいたいものだが、もう無理だしなあ。

*3:もしそうなら、ほとんどの男の子が思春期までは包茎である日本で、子供の陰茎ガンの発生率がもっと高くていいんじゃないでしょうか。そもそもほとんどの哺乳類は包茎が常態でしかも特にお風呂に入ってるわけではないわけだから、もし恥垢に発がん性があったら、哺乳類は陰茎ガンと子宮頸がんで死滅してると思うのだが。

*4:しかし早漏が問題視されることは多いですが、遅漏が問題視されることはあまりないのはなぜだ。IMEにも早漏はあるけど遅漏はないぞ。

*5:解剖学上これはガチ。