タマネギを捨てた

半年ほど前に食べようと買ってきたしろもの。
なんとなく機会を逃している内に芽が出た。
さらには勝手に伸び始め、これはどうしようもないな、と思ってからさらに一週間経った。
芽(というより茎)はすでに10センチを超えようとしていた。
米をかじりに来たネズミもこいつには手を出さなかった。
その運に敬意を表して、というわけではないが生ゴミとしてではなく、草むらにこっそり捨てることにした。
タマネギは、一体どういう植物なのかときどき興味が湧く。
長ネギは畑で見たことがある。だからどんなものかわかる。
タマネギは、とても同じネギだとは思えないのだが。
売っているタマネギは地下の部分だが、地上部分だってあるはずだ。似たような存在のジャガイモは、小学校の理科でやったから知ってる。トマトも含めてナスの仲間だとはとうてい信じられないが。サツマイモだって昔イモ掘りに行ったから知ってる。
しかし、タマネギは知らん。
見たことはあるのだろうが、それがタマネギとは知らずに見ているのだろう。
何も栄養なしにこれだけ伸びたのだ。土の上ならもっと育つだろう。これは、その謎がわかるビッグチャンスかもしれない。
すぐに見に行けるところがいいので、場所は近くにある大学の構内にした。
見とがめられたら困るから(まさかタマネギを捨てに来ました、と正直には言えないので)、深夜に行った。
また見に行こう。