今日の日記

読書

読んだ順ではないです。
テキストファイルで書き溜めてたんですが、編集上、一番上に継ぎ足していくのが楽なんですね。
どこが頭かわからないと、文章をつぎはぎするとき、切り取り元を探すのに苦労するので。
ところが、一度に三冊分書いたりするから、そのときは下に続けて書くわけで。
本が変わるたびにいちいち頭に戻るのは面倒くさいんです。
今から書くぞ、って時にはいいのですが。

数学的にありえない数学的にありえない 上

面白かった。これを薦めてくれたO君に感謝。
この作品を簡単に言うと、数学と量子力学に関する専門的知識を背景にしたサスペンス。
訳者あとがきで、歴史と美術を背景にしたダヴィンチ・コードに例えていたがなるほど納得。
もちろん理解するにはそれらの知識は必要なく、普通の読解力さえあれば十分楽しめます。
ネタばれになるので内容については詳しく書けませんが、読んで損はありません。
読み始めてしばらくは「アメリカにもライトノベルってあるんじゃのう」って印象を持ったくらい設定ありきの話なので、そういうのが苦手な人にはちょっとお勧めできませんが。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか裁判長! ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

僕のお気に入り、北尾トロの、裁判の傍聴体験ルポ。
基本的には、興味本位な発想で裁判を選んでは傍聴している。
テレビで扱われるような大事件以外の裁判というものがどういうふうに行われているかを知るには非常にいいと思う。
もうすぐ裁判員制度も始まり、傍聴どころじゃない参加をする人もいるかもしれない。
裁判とは、社会正義の実現の場であるべきだと思う。
しかしながら、被告も原告も証人も、みんな人間である。うそもつく。自分に有利なようにものを言う。
裁判長はそれを見抜かなければならない。神ならぬ人間の身で。当然、間違いもあるだろうし。
裁判員制度が実施されると、そういう場に、普通の市民が繰り出すわけである。
さらにいえば、社会的な関心と、法廷闘争の関心は、それぞれ違うところがある。
たとえば、僕らは、事件において、なぜ、どうして?という点に非常に関心を覚えるだろうけど、法廷闘争においては、結局のところ、限られた時間の中で有罪にできるのかどうか、端的にいえば有罪の要件を満たすor満たさないと証明できるか、というところがポイントなようで。
取り上げられてるそれぞれの事件はとても卑俗で、興味の持てない事件もあるかもしれないけど、そういうところを感じただけでも面白かった。
個人的には、競馬好きなので田原元調教師の事件が取り上げられてて懐かしく思った。
オウムの事件とかもあるので、興味のある人はぜひどうぞ。

「帝国以後」と日本の選択「帝国以後」と日本の選択

『帝国以後』についての、評論と対談集。
作者自身の言葉がかなり収録されてるので、『帝国以後』を読んだ人は読む価値があると思う。
『帝国以後』の内容は、大雑把に言うと、アメリカは実は帝国ではない、ということ。
アメリカは膨大な貿易赤字を抱えているのになぜ破綻しないのかというと、ドルという基軸通貨を抱えているのでお金が流れ込むから。
じゃあ、なぜドルが基軸通貨たりえているのかというと、日本とドイツが一生懸命ドルを買うことと、アメリカの軍事的振る舞いによる。
つまりアメリカの昨今の軍事的行動は、アメリカを基軸通貨の発行者と認めさせるためのもので、それ以上でもそれ以下でもない、というのが『帝国以後』の主張。
その中では、日本の役割はかなり大きく捉えられていて、まだまだ世界の枠組みがはっきりしない今、面白く読んだわけだけども。
で、この本だけど、対談や書評が主なので、非常に読みやすかった。『帝国以後』を読んで、いまいちつかみきれなかった人は合わせて読むといいと思う。

展望塔の殺人 (光文社文庫)

島田荘司ならトリック主体だろうと思って読んだ。
期待は満たされなかったけど、面白かった。
いわゆる社会派、に分類されるのかな。こういうのは。
古い本なので新刊で買うのはちょっとどうかなって感じですが、最後まで飽きずに読めるので、図書館や古本屋で見かけたら、未読の人は手にとってみてください。