今日の日記

いたずら


自慢じゃないが僕は話が長い。

「あなたは学問をする方だけあって、なかなかお上手ね。空っぽな理屈を使いこなす事が。世の中が嫌いになったから、私までも嫌いになったんだともいわれるじゃありませんか。それと同なじ理屈で」
「両方ともいわれる事はいわれますが、この場合は私の方が正しいのです」
「議論はいやよ。よく男の方は議論だけなさるのね、面白そうに。空の盃でよくああ飽きずに献酬ができると思いますわ」
 奥さんの言葉は少し手痛かった。しかしその言葉の耳障からいうと、決して猛烈なものではなかった。自分に頭脳のある事を相手に認めさせて、そこに一種の誇りを見出すほどに奥さんは現代的でなかった。奥さんはそれよりもっと底の方に沈んだ心を大事にしているらしく見えた。

夏目漱石『こころ』より


たぶん僕は自信がないんだと思うんですね。自分が言ってることが伝わってるかどうか。
だからわからせようと思って話が長くなる。最初から順番に説明するから。
人がわかりあうには論理しかなく、そのためには言葉を尽くさなければならないと信じてるし。
あと、いい加減な理解をされるのが耐えられないというのもあるな。だから、大雑把な結論だけをぽんと投げることができない。
なので、「来週、妻が浮気します」読んでたら悲しくなった。理屈で分かり合えなかったんだ(=人は理屈では分かり合えないのかもしれない)って思って。
まあ、このやり方が女性に受けが悪いことは否定しませんが。

画像

猫が運動会して、ミニバラの鉢を倒したあと。

読書

絡新婦の理、文庫版で読んでたんですが、最終巻が引越し前に手に入りそうにないので途中で断念。
今日全部返してきます。チェー!
他に読みきれなさそうなものも全部返却。予約も今日来てない分は全部キャンセルします。残念。