今日の日記

あるある大事典の捏造について「あんなもの信じるほうが馬鹿」ってテキストばかり目にします。
僕もそういう文脈で語ってた*1んですが、どうも本当にそう思ってる人が多いのではないかという気がしてきました。
うーん。いろいろな問題があるけど、まずは、意図的にだまそうした人がいたことと、それが事実かどうか検証するシステムがないことだと思うんですよ。
信じるほうが馬鹿といいますが、確かに批判なしに何でも受け入れるのは愚かですが、次から次へと情報というのは出てくるわけで、それを毎回自分で裏を取ってとかできるわけないじゃないですか。
今回は、健康情報番組という、社会的に位置づけの低い番組だったから、あんなもの、とそもそも切り捨てる見方が説得力を持つだけであって、例えばあれがニュースで起きてないとだれが言えるんでしょう?*2
あるあるがだまそうとしたからって、それを指摘した週刊誌のほうが信用できるかって言えばそうじゃないでしょう?
〜を盲信するってことと、〜を最初から見ないということは、どちらも内容を見て検討してないという点で、コインの裏表だと思うのですが。
じゃあ、どうしてそういう人が出てくるのかというと、テレビ業界の構造的な問題、つまり下請けに丸投げ、ということがあるわけで。
これは発注した局にも厳しく監督責任を問わないと、また繰り返されると僕は思います。
社会的な問題、という点ではまずそこをなんとかしてほしいです。


情報に対するリテラシーの話をすると、我々は、1+1=2の証明ができないように*3、どっかで検討を打ち切って信じてしまわなければ知見を身につけることができない生き物だと僕は思います。
もちろん、その信じる/信じないの敷居を下げすぎることは問題ですが、上げすぎることだって問題……というか現実的には無理でしょう。
デカルトみたいに、いちいちなんでも疑うのは理想ですが。
だました人間とだまされた人間がいる場合、どう考えたって悪いのはだました人間です。
楽しめる範囲でなら、だまされるくらいで信じるほうが、むしろ利口だと僕は思うんですけども。
えーと、話が拡散し始めたので、ここらで結論を書くと、疑いすぎるのもそんなに利口とは思えないのですけど、ってことです。
じゃあどういう立場をとるべきかって言うと、検討が必要な情報かどうかのみきわめが大事で、必要でないものは、だまされようがどうでもいいってことだと思います。むしろそういうものは、楽しんだほうが勝ち組。
ただ、どこで踏みとどまるかは大事で、例えば棚から消えるほど納豆を買ったり、それを食べたからと服薬をやめたり、セレン中毒になるほど食べたりってことはいきすぎなわけで、つまり行き過ぎないという知恵が大事だと僕は思います。
バラエティを素直に楽しめない人生ってのも、これはこれで貧相な人生だとは思いませんか。
まあ、僕がそうなんですけど。orz

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説明の必要もないほど餅つき。

園芸

マメ科の植物のやる気は異常。
スイートピーがしおれて*4たので、もうダメかもしれんと思ったけど、一応水をやったら、一晩でしゃっきりと。ガッツあるぜ。

読書

マンガ嫌韓流』のここがデタラメ『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ―まじめな反論 不毛な「嫌韓」「反日」に終止符を!対話と協力で平和を!! 12冊目

マンガ嫌韓流の反論本。
嫌韓流に対立する立場を、どう表現していいのかわからんので、ここではとりあえず好韓流と書いておきますが、要はそういう本です。
嫌韓流の各章に、それぞれの反論者を立てて反論する構成になっている。(と思う。嫌韓流の本が手許にないのでようわからん)
それぞれの主張には説得力もあるものもあり、好韓流嫌韓流それぞれの主張を知る上で、好韓流の主張を知るためにとりあえず読む本としてはいいと思う。*5
印象で言えば、章ごとの反論という形式は、効果的ではあると思ったが、反面無理もあるのではないかと思った。
嫌韓流の立場・言説はまったくの誤りである、という姿勢がその逐次的な反論のスタイルからは見えるわけで、その意図と熱意は十分に伝わった*6
反面、例えばサンデーモーニングでの事件についてなどはちょっと苦しいというか、難しい。
嫌韓流で「捏造だ!」と言われたのに対し、捏造ではないと主張するのは結構なのだが、そもそも捏造であろうがなかろうがあってはならないことだろう。
単純ミスというなら、他でどれだけやってるか、知れたものではない。その方がかえって怖いような気もするな。
で、その後の対応にしても誠意を欠いているように思われるのが僕としてはよくないと思うのだ。
それらの点について、当該テレビ局を批判する立場もなく、ただただ嫌韓流の批判ばかりを連ねるのは、バランスを欠いたと思われても仕方あるまい。
もちろん、捏造もあってはならないことで、その点について議論は大いにやってしかるべきだと思うんですけども。
あと、真偽の判断は読者に任せますが、というスタンスの文が散見されるのは、個人的な好みとしてだけどあまり好きではない。
主張があるなら、はっきり言えばいいと思う。金をもらって世に問うということはそういうことだろう。
その点について言えば、マンガ嫌韓流のほうがまだ明快で、そういう意味では小泉流の明快さを好んで自民党を大勝させた層への訴求力が足りなそうだな、と思った。
内容については、まだまだこれから勉強です。

マンガ嫌韓流の真実!マンガ嫌韓流の真実! (別冊宝島) 13冊目

サザエさんに対するサザエさんの秘密、みたいな関係の本かと思ったらそうでもないな。
嫌韓流の記述に対して、好意的な立場から掘り下げた本を期待してたのだが。
このページ数でそれを期待するのが間違いか。
内容は、無理に読むほどではないです。端的に言えば二匹目のドジョウです。
時間があればどうぞ。読みやすくはある。
個人的には、ライターの中に「プロの2ちゃんねらー」という肩書きの人がいて、これは本当に一年ほど前の本かどうか自信がなくなった。

*1:わざとひねた見方をするのがここのスタンスだからね。

*2:というか今までも表ざたになっただけでも捏造ニュースってあったよね。

*3:つまり、1+1=2、と信じ込んでしまわないと算数が成り立たないということ。

*4:例えていうなら空気の抜けた瞬間のタイヤのような「もうだめだー」感。

*5:日韓の歴史は、それこそ本一二冊で全部わかるほど簡単なものではあるまい。読んで、分かったような気持ちになることが危険なのだと思う。僕が言うなという話かもしれないが。

*6:逐次的過ぎて熱意が空回り、簡単に言うと引く、という部分もあったが、それは語り手と僕の温度差だから仕方ないところがあるとも思う。