今日の日記
これは、掃除機か外のボス猫にビックリしてベッドの下に入り込んだところ。
読書
・チェックメイト
ついに全巻読了。
ライトノベルであるがゆえに小説の約束事を破ってる点とか、30-40になってまでこういう作品を書けることのすごさとか、そういう点については割愛。前巻の感想で書いたんで。
以下は、若干のネタバレを含みます。
山崎ひろふみ君が直死の魔眼を身につけたのにはワロス*1。
そういえば、ひろふみ関係で気になったことが一つ。
彼は2巻で田崎さんをブラックキャットと誤認するよね。
田崎さんは、2巻では言葉遣いなど30台前後と思える描写で、それは警察で想定してる犯人像に合致するから問題ない。
だけど、3巻になるととたんに年齢が少なくとも40くらいにはなってないとおかしい感じになる。
ひろふみの世話を焼き*2、「この年になっても〜」と嘆くシーンが出てくるので。
田崎さんが40くらいなら、秋野刑事は島根のひろふみを「あの年齢の人ができるわけがない」と説得するだろうし、また田崎さんはそれくらいの年齢でキャットと同じくらいのスタイルでないといけないわけで。
30くらいなら、ひろふみはそう年齢も変わらないわけで、いろいろと意識するところも出てくるはずです。
いったいどっちなんだ。まあ本当に本筋には関係ないどうでもいいことなんですけど*3。
そういうことを考える人間は、ライトノベルを読むのに向いてないと思う。
本当に自分でもそう思う。
新井素子の作品を読んで小説を書こうと思った一人としては、読み終えて非常に感慨深いものがあります。
結局のところ、僕が小説を書かなくなったのは、自意識が過剰だったからです。
例えば「こういう描写はルール違反」とか「こういう書き方は美しくない」とか、いちいち気にするようになって、自縄自縛に陥ったからです。
もちろん他にもいろいろな意味での才能が欠けているのですが、一番足を引っ張ったのはそれだと思う。
そういうことを再認識しました。
また、20年越しのシリーズに決着をつけた、新井素子先生の誠意は、どれだけほめても足りないと思う。
本来なら、読者が待ちきれるようなスパンで出すべきで、そうしてる大半の作家に比べればって話もできるでしょうが。
逆境ナインで、100点差をひっくり返すより、1点も取られず1-0で勝つほうが偉いってのと同じ意味で。
でもですね、こうなったら、投げ出してもしょうがないなって雰囲気があったと思うんですよ。
それを、もはや客観的に得るものはあまりないだろうに、あえて拾うってのはやはりできることじゃないと思います*4。
他にも言いたいことはいろいろあるんですけど、とりあえず、新井素子が年齢を重ねて、書くものがどう変わったか確かめたくなった。
だから、むしろ僕からこう言いたい。
もしも御縁がありましたならば。
いつの日か、また、お目にかかりましょう―*5。