今日の日記

きっぷ

徳島から帰ってきました。
画像は青春18きっぷ。改札印が分かるかなぁ。左は徳島、右は博多管区。
行きは14時間半、帰りは15時間乗りましたが、お尻も腰も痛くないです。
冷房でひざは痛くなったけど。←体を動かせなかったせいもあるかも。
帰省ラッシュということで思ったよりも少し混んでましたが、結局鈍行を始発駅から終着駅まで乗り継いでいたので、行きのマリンライナー以外全部座れました。
泊めていただいたわきさんほか、お会いできた皆さんによくしていただいてうれしかったです。ありがとう。
次は冬に、有馬記念を見に中山*1だな(笑)。
徳島土産は「ひぐらしのなく頃に」(笑)*2

読書

移動中に読んだ。30時間も使ってこれかよ、というのは勘弁(笑)。かなり寝てたので。

これはいいよ。
極端に要約すると「第二次大戦を各国はどう正当化してきたか」という内容。
その正当化は他者と同時に自分にも向かう*3
それを、戦争をどう記憶してきたか、ということを明らかにすることで、整理していこう、という内容。
ネット上で政治的発言が最近活発になってきてます。
関心を持つことはいいことだと思う。
次のステップとして、どう関心を持つ/持たざるべきか、ということがあると思いますが、そこに進むためには必要な本かと。
個人的には「相手の間違いを証明したとしても、それは自分の正しさを証明することにはならない」*4という部分が気に入りました。

  • 頂上対談頂上対談

僕は対談集が好きだ。読みやすいから。
相手が変わるたびに一区切りがつくし、編集者によって、文章が整理されるからね。
オモシロかったです。
それもこれもビートたけしが言うから、というところがあって、これが近所のおっさんが言ったとしたらどうかなって思いますが。
それもまた、対談集のいいところではあるな。結局、自分が興味がある人の発言を読むわけだから。

というわけで、これも対談集。
この本は、タイトルにもあるように、主な内容はアニメ、マンガ、戦争に分かれている。
これは、安彦良和が、漫画家であり、昔アニメで大きな仕事をし、今戦争に関心があるから。
つまり、対談相手は安彦の前の二つに興味があり、安彦は最後の一つに興味があるから、それに基づいて話が流れるわけですね。
全体的に思うのは、安彦は、世間で通用するような仕事もしたし、いろいろ体験してきたから自信がある*5
しかし、それは例えば学生運動の挫折のような失敗もあるし、今は流されてればご飯が食べられるところもあるから、内心今は言う内容に沿うような活動はしてないとか、いくつかのトラウマがあるなあ、と。
それが最後の大塚英志の対談によく表出してると思うんだけど。
もちろん安彦の能力にはすばらしいものがあるし、それとこれとは全然関係ない話だけど。
さて、教えてください。富野ですでも借りてくるか(笑)。

マンガは教養だ、という内容ではなくて、マンガを教養として扱うには、何をどのように扱うべきなのか、という本。
帰り道の一番最後に読んだので、頭にあまり入らなかったせいもあるが、あまり得られるものはなかったように思う。
でもその考え方には見るべきものがあると思った。

  • マンガは今どうなっておるのか?マンガは今どうなっておるのか?

はいはい夏目房之介夏目房之介、という感じを持たなくもない。
というのも、夏目房之介竹熊健太郎の目新しさというものは、対象がマンガに限定されてるところに大きな部分を負うので、マンガがこれだけ市民権を得てしまうと、その新奇さは薄れてしまう*6
竹熊健太郎には、例えば先だって紹介した本のように、マンガを経済的に見るとどうなのか、という視点がある。
これは今は金がモノサシの世の中だから、意味があってオモシロいと思う。
で、夏目房之介には何があるんだろうと思うんだけど、それは僕には何か分からなかった。
もちろん、全体としてのレベルの高さは読んでて安心するけども*7

  • ブラックキャットブラック キャット 1 (ブラック・キャットシリーズ) (コバルト文庫)

えっと、感想です。
これは20年かけて完結したブラックキャットシリーズの一冊目にあたりまして、出たのは22年前です。
このまま書くのも分かりにくいから、内容を紹介するね。
不器用で気が強い女の子が、正体不明の二人組と泥棒する話です。


って、新井素子文体模写はもうおしまい。
これを読んだのは、何回か書いたように、ブラックキャットシリーズには落とし前をつけておかなければならないと思ったから*8
内容は特に見るべきものはありませんが、今思えば、という点はいくつかありました。
例えば、話し言葉に極端に近く、語り手が表面に出てくる文体ってのは、確かに画期的だったなあ。
僕もよくやってしまうのですが、「えっと」「まあ」「んー」など、間投詞を文章に書くことは「うまい文章」では避けるべきこと、とされてて、作家志望の人間は当然それに倣うのですが、新井素子はそうしなかったこと*9
文章の途中に「自己紹介するね」って語り手が言い出して自己紹介が入るってのもそうだけど、これは要は、思いついたお話を、対面する友達に話したものをそのままテキストにした感じなんだなあ。
さて、三巻が来たそうなので、借りてきます。

*1:ちなみに、最寄り駅の西船橋駅までは、僕のところから23時間くらいかかりますが(笑)。具体的には、大垣(ちょうど、一日で行けるギリギリの駅)をはさんでムーンライトながらを使って片道2回分で行くことになりますな。ちなみに飛行機を使うと4時間、新幹線だと8時間。移動距離は1300kmあまり。

*2:「そうだな…わたしは“クリア”だけを求めてはいない。“クリア”だけを求めていると、人は攻略記事に頼りたがるものだ…頼った時感動を見失うかもしれない。やる気も次第に失せていく。大切なのは『プレイに向かおうとする意志』だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回はインストールだけで終わったとしても、いつかはプレイするだろう?向かっているわけだからな…違うかい?」とテペーイさんが言ってました(笑)。

*3:その正当化が必然であったように、発言/行動が規定されるから。例えば、自衛の戦争であったと言い続ける国は、自衛でないと言い切れる戦争をすることができなくなるし、行ってしまった戦争については「自衛の戦争である」と言う事に終始する。

*4:どっちも間違いということがあるから。

*5:翻って思うのは、守られてきたから自信がない世代というのがあるのではないかということだが。

*6:もちろん、発言の内容には関係ないところで、という無責任な印象であるが。

*7:個人的には、ひまつぶし哄笑読本 (ワニ文庫)を持ってるくらいだし、かなり好きなのですが。

*8:同様に落とし前をつけておきたいのが漫画家マリナシリーズなのですが。谷口亜夢が麻雀雑誌で連載してるなんて、当時は想像つかなかったよなあ。

*9:そしてそれがそういう権威付けに無縁な人間に親近感をもたせたのではないかと。